災害心理研究所 The Center for Psychological Studies of Disaster

お知らせ

日本心理学会第88回大会でシンポジウム「原発事故による精神影響の長期化について考える:福島事故から13年後の被災者の精神的健康の状況」を開催しました

令和6年9月6日から8日まで熊本市の熊本城ホールにおいて日本心理学会第88回大会が開催されました。学会初日,下記の内容でシンポジウムを実施いたしましたのでご報告いたします。

企画者:福島大学 筒井雄二

話題提供者:京都大学 楠見 孝先生

名古屋大学名誉教授 氏家達夫先生

弘前大学 清水真由美先生

福島大学 筒井雄二 (18分)

指定討論者:関西大学 元吉忠寛先生 

企画主旨は以下のとおり:

原発事故から13年が経過した福島の状況は,処理水の海洋放出や廃炉に関連する一部の問題をのぞき,メディアを通じて報道される機会は減少した。事故当時,被災者における心の問題が懸念され,メディアも研究者も大きく注目してきたが,最近では福島の人々の心の問題への関心は薄れてきたのが実情だ。しかし,福島の人々が原発事故によると考えられる心理学的影響を受けたことは事実であり,その問題がどのように推移し,今後,どのような問題に発展する可能性があるのかについて調べ,考え続けることは,心理学者に課せられた役目であると言える。また,そのような努力により蓄積された知見は,将来,世界のどこかで同じような災害が発生した場合に,必ず役立つだろうと期待される。このシンポジウムでは,福島事故に関連する心理学的問題について研究を継続されてきた先生方から被災者の精神的健康に関する研究の成果をご紹介いただき,事故の長期影響の実情について問題提起をしていただく。そして,災害・防災心理学の観点から今後に残された心理学的課題について考えたい。

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