災害心理研究所 The Center for Psychological Studies of Disaster

福島の母たち・若者たちの心からの声を発信するプロジェクト

東日本大震災から約8年半が経ち,

ペンネーム フクオカ
投稿区分 学生である


 東日本大震災から約8年半が経ち,復興は進んでいるように見えます。私は宮城県出身で,当時は小学5年生でした。校舎の蛍光灯が落ち,避難した先の校庭には亀裂が走り,幼いながらに恐怖を感じたのを今でも鮮明に覚えています。それから月日が経ち,縁があって福島大学に入学することになったのですが,「放射線とか大丈夫なの?」と言われることが少なからずありました。当時私は,「7年も前のことなのにこの人は何を言ってるんだ」と思いました。この時の私は無知だったんだと今では思います。

 復興から取り残された福島。私は大学に来て福島の現状を知ることとなりました。復興しているように見えるのは見かけだけ,浜通りでは未だ閑散とし,町として機能していない地域もあるそうです。原発から少し離れた地域では,放射線は問題ないレベルまで落ち着いていますが,原発事故が起こった地「フクシマ」という印象が拭えていないのが現状です。確かに半減期の関係で放射線は未だに出続けているという事実もありますが,中通り,会津地方の全く問題がないものまでも,福島産のものだからと避けられているのにはやるせない気持ちになります。今でもツイッター等SNSで福島産で検索すると,世間の声の冷たさに驚きます。福島の復興は風評被害がなくならないことにはなしえないことなのかもしれませんね。

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