災害心理研究所 The Center for Psychological Studies of Disaster

福島の母たち・若者たちの心からの声を発信するプロジェクト

東日本大震災が起こった当時、

ペンネーム K. Z.
原発事故当時に居住していた市町村 いわき市
避難について 平成28年4月まで横浜市に避難。その後、いわき市に帰還
家族構成 父・母・自分・妹
年齢 20歳代


 東日本大震災が起こった当時、私は小学6年生でした。地震発生時は、友人たちと一緒に下校している最中でした。ゆれ始めたときはただの地震だと思いましたが突然ゆれが激しくなってみんな蹲ってしまいました。歩いていた場所はコンクリートで塗装された道でしたが、見る間にひびが入っていったのを見て恐ろしく感じました。揺れが収まると同時に、友人たちと一緒に走りました。遠くから見える黒い煙が共も不気味に感じたのを覚えています。わたしの住むマンションは倒壊することはありませんでしたが、祖父の家が半倒壊状態となり、わたしの住む家に避難することになりました。いつもより狭い家の中で、不安で眠ることもできませんでした。しばらくして、伯母の住む横浜に避難することになりました。中学校が始まるまで、何が起きている中を理解できないような、頭の中に霧がかかっているかのような気持ちで過ごしました。

 避難が終わって実家に帰ってきてからも、元の生活には戻れませんでした。震災の影響で卒業式は休止になり、中学校でも甲状腺検査など放射線にまつわる様々な授業。友人たちとは離れ離れになり、あっという間に疎遠になってしまいました。

 あれから十年たちましたが、あのときに感じた恐ろしさは忘れることができません。今でも地震が起こるたびに、あの日のようになるのではないかと不安に思います。だからこそ、これからの人生の中で震災への対策をしていくこと、それを受け継いでいくことが大切なことだと思います。

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