シンポジウム・セミナー等の開催
2015年 9月 名古屋
原子力災害が心理的影響を引き起こすメカニズムを考える
平成27年9月22日から24日に名古屋国際会議場で日本心理学会が開催されました。福島大学 災害心理研究所では「原子力災害が心理的影響を引き起こすメカニズムを考える」と題し,原子力災害に関わって研究を続けてこられた4名の研究者に登壇いただき,原子力災害による心理的メカニズムに関するシンポジウムを開催しました。登壇者と,主催者(筒井)の企画意図は以下の通り。
登壇者 |
京都大学 木下冨雄 リスク学からのアプローチ
東京大学 佐倉 統 行動進化論的アプローチ
名古屋大学 氏家達夫 発達心理学的アプローチ
福島大学 高谷理恵子 福島における原子力災害と心理的影響:現状報告 |
企画意図 |
原子力災害が人々の心理にネガティブな影響を引き起こすことは知られている。しかし,心理的影響がどのような仕組みにより引き起こされるのかについてはよく知られておらず,そのために原子力災害が引き起こす心理的影響をどのように防ぐことができるのかについてもわかっていない。これまで原子力災害に関する心理学的影響に関わって研究を続けてこられた先生方に登壇いただき,それぞれの専門領域の視点から心理的影響のメカニズムに関する枠組みをご提示いただく。そして,それらのメカニズムからどのような心理的影響を取り除く可能性について考えていく。 |
2015年 3月 福島
原子力災害の心理的影響を考える国際セミナー: チェルノブイリ事故の教訓を学ぶ
平成27年3月25日,26日の両日,福島大学 共生システム理工学類,後援募金記念棟において,「原子力災害の心理的影響を考える国際セミナー:チェルノブイリ事故の教訓を学ぶ」が開催されました。ウクライナ社会学研究所からガルバルシン・チェプルコ博士,ナタリア・ソボリエバ博士,ウクライナ DESPROからオクサナ・ガルネッツ博士,ロシア市民防護非常事態研究所からタチアナ・メルニツカヤ博士をお招きし,そのほか国内の心理学者も交え,原 子力災害が引き起こす心理学的問題と,その対策について話し合われました。
2014年 9月 京都
福島における原子力災害が人々にもたらした心理的問題の現状と今後を考える
平成26年9月10日から12日に同志社大学において日本心理学会第78回大会が開催されました。
福島大学 災害心理研究所は,震災のあった翌年の平成24年から,日本心理学会で原子力災害と心理的影響に関するシンポジウムを開催してまいりました。今回も「福島における原子力災害が人々にもたらした心理的問題の現状と今後を考える」と題し,シンポジウムを開催いたしました。
震災や原発事故からの時間経過とともに,人々の記憶が風化し,震災や原発事故への関心も低くなってきているのではないかと,心配しています。もし,それが事実であったとしても,私たちは福島の現状を伝え続けなければならないと考えています。原子力災害によって何が起こったのか,人々の心にどんな影響が及び,どれほど苦悩しているのかを伝え続けなければ,それで終わったことになってしまう,福島はもとに戻ったのだ,と誤解されてしまうことになってしまうと考えるからです。
今回のシンポジウムには,実は予想外に多くの心理学者が集まってくれました。毎回,参加してくれている方も随分とおられました。「風化」や「無関心」ということを危惧していますが,このシンポジウムに限って言えば,年々,少しずつではありますが心理学者の関心を集めてきているような雰囲気を感じました。
ここにシンポジウムのプログラムと,写真を掲載します。ご覧ください!
【
日本心理学会シンポジウム2014プログラム(PDF)】
2014年 3月 京都
放射能汚染が福島の人々に及ぼした心理的影響
発 表 |
日本発達心理学会第25回大会 |
話題提供 |
高谷理恵子 |
低線量下で暮らす福島の幼児・児童とその保護者の長期的心理ストレス |
筒井雄二 |
福島県内で暮らす幼児と乳幼児の保護者の心理的ストレス |
高原 円 |
福島原発事故関連の心理的ストレスに伴う子どもたちの睡眠問題に関する調査 |
December, 9, 2013, Kyiv, Ukraine.
International scientific-practical seminar “Psychological aspects of overcoming the consequences of large-scale accidents and disasters. The experience of Chornobyl and Fukushima “
話題提供 |
Yuji Tsutsui, Changes in everyday life of children after the Fukushima nuclear plant accident.
Rieko Takaya, Anxiety over radiation exposure and psychological stress in Fukushima residents #1: Survey of elementary school students and kindergarten children.
Yuji Tsutsui, Anxiety over radiation exposure and psychological stress in Fukushima residents #2: Surver of 18-months- old and 3-year-old children.
Tokio Uchiyama, Fukushima disaster and the mental health meeds of children with developmental disorders and their families.
Tatsuo Ujiie, Psychological study of adaptation and developmental processes to radioactive contamination from the Fukushima nuclear accident.
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2013年 9月 札幌
低線量被ばく環境下の福島での生活と県外避難に関わる心理的健康問題
~福島の親子の長期的ストレスに関する問題~
発 表 |
日本心理学会第77回大会 |
話題提供 |
高谷理恵子 |
低線量下の福島で暮らす幼児・児童とその保護者の心理的ストレス
~他県との比較により考える
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筒井雄二 |
原発事故後に生まれた福島の子どもたちの心理的ストレス |
内山登紀夫 |
福島の発達障害の子どもの心理的健康問題 |
2013年 3月 福島
福島の子どもたちのためストレス対処法を学ぶ市民シンポジウム
話題提供 |
筒井雄二 |
福島で生活する親と子の心のストレスの現状 |
2012年 9月 東京
低線量被ばく環境下の福島での生活と県外避難に関わる親子の心理的問題
発 表 |
日本心理学会第76回大会 |
話題提供 |
筒井雄二 |
低線量下の福島で暮らす幼児・児童とその保護者の心理的ストレス(1) |
高原 円 |
低線量下の福島で暮らす幼児・児童とその保護者の心理的ストレス(2)
~子どもたちの睡眠問題調査との関連から~
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口頭・ポスター発表等
- 高谷・富永・高原・筒井,2014,低線量下で暮らす福島の幼児・児童とその保護者の長期的心理ストレス,日本発達心理学会第25回大会,京都
- 筒井雄二,2013,原発事故と放射能ストレス(基調講演),福島県臨床心理学会(invited speaker),福島
- 筒井雄二,2013,低線量被ばく下の福島で生活する親と子の精神的健康問題について(基調講演),環境放射能除染学会第5回講演会(invited speaker),東京
- Takahara, Tominaga, Takaya, & Tsutsui, 2012, Sleep problems associated with psychological stress among children and mother in low-dose radiation area of Fukushima, European Sleep Research Society, Paris.
- 筒井雄二,2012,低線量被ばく下の福島で暮らす親と子の心理的ストレスの測定,第14回東北児童青年精神医学会,シンポジウム(invited speaker),筒井
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富永・高原・高谷・筒井,2012,福島県の小学生および幼児のストレスの評価
震災から3~4か月後のFUKUSHIMAの子どもたちを中心に,日本発達心理学会第23回大会,名古屋
- 高原・富永・高谷・筒井,2011, 福島市の小学生および幼児の睡眠に及ぼす災害ストレスの影響の評価,日本睡眠学会第36回学術集会,京都